のののれびう【格安夜行バスのスタンダード4列シートを攻略する】

「すぐ消灯で真っ暗になるからiPhoneなんて見れないよ。寝るしか無いんだよ。」

姉にミニマムを唱えられ縮こまったまま、私は初めて夜行バスで横浜〜大阪の7時間半の旅をしました。

初めての事に何もわからず体当たりするのと、情報があって挑戦するのとでは全く違うと思いましたので、一見当たり前の事も書きました。私がせめてこういう事もあるとわかっていたらと思うことばかりだったので、夜行バスに初めて乗るという方の参考になれば幸いです。
スタンダード4列シート真冬の女子目線ver.でまとめてありますので、真夏のリッチな男子には当てはまらない所もあるでしょうが、ご了承ください。


集合場所にたどり着くまで


まず集合場所に着くまでに第一関門が待ち構えていました。
それは、深夜に駅を歩く時には地下通路が閉まっていた事。。本当にテンパりました。

この日の私の場合、横浜出発のバスで天理ビル前集合。ビル名なんて外からわからないし方向音痴には覚えられないので、標示をたどって歩ける地下街を抜けて歩くつもりでした。この日23時半に行くと通路の入り口は閉まっていました。

人に道を聞けばいいやなんて思わないでください。夜中の街では周りがみんな危ない人に見えます。スーツのおじさんには狩られそうになります。(女子目線)

道に迷って駆け込んでも交番には人がいるとは限りません。駅周辺地図はそういう時に見つかりません。iPhoneの地図を見ても駅構内は案内してくれません。(方向音痴目線)

結局私は、旅行バックをガラガラ引いてるお姉さんについて行ってみたら解決しました。同じ方向に歩くガラガラ仲間、結構います。これは最悪の場合です。事前に想定して駅からのルートの確認や、時間に余裕を持って出発する事がとっても大事です。

冒頭でも述べましたが、こうなる可能性を知ってそこに行くのと、どうしようも無い状態で泣きそうになるのとでは、判断力にかなりの違いが出るものです。


バスに乗るまで


ここで第二次 冷や汗大会がはじまりました。
集合場所のずっと手前から、ものすごい数のバスが路上にびっしり並んで止まっていたんです。さらに集合場所にはおびただしい数の人が、ビル風に凍えていたんです・・・。連休前夜だったからでしょう。
「バス見つかる気がしねええええorz」
私はまずバスを一個ずつ探して歩くのかと思ったのです。でも人々はビル前で並んで突っ立っている。なにこれ。どうしろと?


夜行バスの乗り方は、
1.バスのところに直接行くのではなく、集合場所に立っている受付のツアースタッフに名前をチェックしてもらう
2.バスがどこに止まっていますと教えて貰う
3.座席を聞き、トランクに入れる大きい荷物を預け、バスに乗り込む
という流れです。まずは落ち着いて受付を済ませましょう。


バスのツアー名をチェック

まずは、自分が申し込んだバスのツアー名(JAMJAMライナーさんなど)をチェックしましょう。その日同じ場所集合のツアーが複数あり受付担当さんが数人散っている場合があるからです。それらしい方を見かけたら迷わず訪ねてみましょう。

受付担当を探す

目立つ色のジャンパーやエプロンなどを着ている人を探します。私の時はツアー名が書いてある蛍光色のジャンパーを着ている受付担当さんでした。
その人達が自分を探してくれると思ったら大間違いです。人が多くて真っ暗で蛍光色すら見当たらない中から受付担当さんを探します。

探しても見つからなかったため、バス予約メールに書いてあった緊急連絡先に電話しましたが、「受付の人そこにいませんかねぇ?」とこっちの状況をわかっていないノンビリした声が帰って来て絶望しました。携帯番号が書いてあったから受付に直通だと思ったのに!(ちなみにJAMJAMさんではありません)
ちゃんと対応してくれる会社もあるかも知れませんが、時間を間違えたりしていない限り自力でなんとかするつもりで気合を入れて向かいましょう。そうすればきっと、意外と大丈夫。

真冬のビル前集合

天理ビル前は本当に驚くほど寒いです。そして暗いです。特に私がバスに乗った日は翌日雪が降ったような日でしたので、痛いくらいでした。
厚いコート・厚くて長いマフラー・手袋は基本です。


夜行バス攻略とは「いかに快眠するか」


狭い車内は基本的に気分の悪い場所です。心底逃げ出したくなります。
その中でいかに「自分空間」を作り出すかがテーマだと考えてみてください。

バスに乗ったらまず・・・

バスに乗ったら隣の席にすでに人がいる場合があるので、荷物をまとめてコートを脱いでさっと座れるように準備してから席に向かいましょう。いきなりお隣さんに迷惑をかけるのは自分もなんとなく辛くなるものです。

次に、座ったらすぐに靴を脱ぎましょう。
特に女性のブーツ。絶対すぐに脱いでください。夜中私が寝ていたら、ずっと履いたままで夜中に脱いだ人がいたようで、素敵なかほりが漂って来て最高の目覚めを経験しました。お願いだから早めに脱いでください。

レンタル毛布は肩にかけるのがいいと思います。窓際の席の場合、深夜窓側から肩が冷えてきます。コートは重いしかさばるのでお腹と膝にかけましょう。

椅子の上の棚の荷物は降りるまで取り出せないと思ってください。休憩時立ち上がれても窓際の席だと隣の人にかなり迷惑をかけます。休憩中も寝ている人も多くあまりガサガサと荷物を漁ったりできる空気ではありません。手に持てる小さなカバンに最低限必要な物をまとめておきましょう。

最高にリラックスできる格好を

コンタクトの人はメガネで、女性はすっぴんで乗り込みましょう。バスの中では温度調節が整っているとは限らないので、コートの中の服が暑過ぎたり寒過ぎたりしないように考えましょう。

スタンダード4列は本当に狭いのでかさばるモコモコ過ぎるスカートやモコモコ過ぎるロングダウンコートなどは避けましょう。とにかくお腹や腕が楽な格好を。
夜行バスにオシャレは持ち込むべからず。邪魔になるだけです。

マスクとアイマス

私は特にかも知れませんが「ニオイ」結構強敵です。
空気が悪いと気分が悪くなるので、マスクは欠かせません。
ニオイが気になってきたらマスクの内側で飴やガムが良いです。口に入っている間は眠れないけど、自分の世界に集中する事が出来るので、まわりが気にならなくなります。これは昼便でホカホカお弁当を食べ始めた迷惑客対策にもオススメです。

真っ暗な車内ですが、高速道路は真っ暗ではないので、窓からチラチラと光が動きます。アイマスクを勧められましたが私は持っていなかったので、マフラーをぐるぐる頭というか顔に巻いていました(笑)
とにかくバスの中の世界と自分との間を遮断して別世界に行きたかったのです。

イヤホンと音楽

ずっと誰とも話さず乗っていると、音が気になってきます。少しでも人が動くとカサカサと音がしますし、車の騒音を聞いているとだんだん気分が落ちて来ます。
イヤホンと音楽は必須です。iPodなどのミュージックプレイヤーは充電を忘れずに。音楽は好きな音楽を聴くのではなく眠れる音楽をチョイス。私は歌を趣味にしているため声が気になってしまうので、滅多に聴かないInstrumentalのJazzを聴いてみました。Jazzなんて私カッコイイと優越感と共に安眠。
カナル型のイヤホンは耳にしているだけで耳栓の役割に。でも普段慣れていない方は、数時間耳にはめておくことになるので耳に負担がかからないものを。

サービスエリア

トイレはなるべく行きましょう。長時間座りっぱなしも体に良くないので伸びをするなど体を動かしましょう。
ツアーによってはサービスエリアの到着をアナウンスせず電気が付いたら休憩開始ということもありました。寝ていて休憩に気付かない事もあります。気付いたらなるべくトイレに行っておきましょう。

暗闇の駐車場でバスを見失わないように。○○ツアー○号車とフロントガラスに貼ってあっても暗闇で外から全く読めません。バスの色やナンバーを覚えておきましょう。あらかじめ教えてくれるバス会社もあります。
私はここを一番気にしていましたが、深夜のサービスエリアの大型車の駐車場は、トラックばかりでバスはあまりいなかったのでほとんど迷いませんでした。

エコノミークラス症候群を防ぐためにも、トイレに行きたくなり過ぎない程度に水分は補給しましょう。紅茶飲料などは危ないので控えましょう。飲酒なども水分を失うので当日はやめましょう。


降りた後のこと・・・


夜行バスは早朝に目的地に到着しますので、その後時間を潰す事が多いと思います。だいたいは大きな駅に到着だと思うので大丈夫だとは思いますが、漫画喫茶などに寄る場合、朝方明るくなったら携帯等で探しておきましょう。早朝寝起きにバスを降りると、相当寒いです。旅行先で風邪を引かないように。


偶然?裏技?ラッキー?

行きは女性専用車で向かいましたので、隣は女性でした。帰りは女性"安心"のバスで帰りました。隣に男性が来ることは無いだろうと思っていたのですが、偶然バスが空いていたからかも知れません、隣が空きだったのです!超ラッキー。
平日空いている日なら女性専用より女性"安心"の方がもしかしたら私のように当たりを引く可能性があるかも知れません。


これから夜行バスに乗る仲間へ


狭いスタンダード4列シートでカーテンは締め切り、隣は知らない人、すぐに消灯されて真っ暗に。かなり過酷な状況ではあります。何度乗っても辛いと皆が言います。

心配症の私は、今回出発前は不安で仕方ありませんでした。でもそれは初めての事で情報があまりにも無いのと「夜行バスってどうなの?」っていう感覚的なことを人に聞いてもここまでの説明は聞けなかったから。これだけ知っていれば大丈夫、勝てます。

ポイントは「いかに快眠するか」と、その為に「いかに自分空間を作り出すか」です。

ゆったり4列ならまだしも、スタンダード4列は他人があまりにも近いので、圧迫感に心がやられてしまうのではないかと心配しました。でも、自分空間を作り出してこっちから切り離してしまえばいいのです。

私の場合はイヤホンで音楽を聴き(音を遮断)、マスクをし(空気を遮断)、マフラーを顔に巻き(視界を遮断)、毛布を被り(隣の人の感覚を遮断)、あとはリラックスして寝るだけ。

隣や後ろに迷惑をかけたくない、トラブルを起こしたくない、と周りに気を遣って我慢して息が詰まって自滅。これが一番いけません。私がそういうタイプの極地です。
もちろん隣にぶつかったり、大きな音をたてたり、後ろに勝手にリクライニングし過ぎたり、ニオイの強い物を持ち込んだりしてはいけません。ただ、ちょっと体を動かしたりとか、ちょっと音が立っちゃうとか、ちょっとリクライニングさせてもらうとか、そんなのは気にしてはいけません。ガンガンやりましょう。ちょっと自己中になってもよいんです。ソレ、みんなやってます。携帯も少しなら毛布にくるんでいじってみましょう。みんな爆睡してるし結構いけます。何も出来ない、しちゃいけない、寝なきゃいけない、と考えるのが一番最悪です。もっと自由でいいんです。

電車の居眠りの幸せを思い出してください。隣の人がいても快眠できます。寄りかかっちゃったら、謝ればいい。さらに今日はこんなに楽な格好。大丈夫。眠れます。
当日は適度な眠気をバスに持ち込みましょう。「いかに快眠するか」です。


実際私は神戸に往復1万円弱で行けました。平日なら7千円以下のようです。
新幹線だと往復3万円です!!
3列シートだと片道で数千円しますね。
だったらスタンダード4列シートに詰め込まれてでも遊びに行きましょう!
実際すごく日本が狭く感じるようになりましたよ。結局はお財布ですな。。
もう私は新幹線に乗れそうにありません。(笑)
関西の友達にまたすぐに会える気持ちになって帰って来ることが出来ました。

今度どなたか、私と一緒に夜行バスに乗って想い出作りに行きませんか?( ー`дー´)キリッ